PROLOGUE

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 都内にある区立桜輪小学校。その第42期卒業生、川藤純と栗田夕子は校門の前に立っていた。痩せ形の体型に凛とした顔質。嘗てクラス委員だった純は現在大手銀行に勤務している。夕子は、服のセンスは大きく変化したものの、顔質は昔とそう変わらない。今はファッション系の仕事についているらしい。若干派手な服を着ているのも何となく理解出来る。  2人で話をしていると、そこへもう1人男性がやって来た。髪が若干薄い男性で、顔もそこまで格好良くはない。体型も中肉中背、40代に見える。 「よぉ、栗田だろ? お前変わってねぇなぁ」  2人に歩み寄るや否や、男性が夕子に声をかけた。初めは警戒していた夕子だったが、改めて間近で顔を見ると、目の前の男性が同じ同窓生であるとわかった。 「えっ? 木戸君?」 「そうそう、木戸」  木戸英太。同窓生の1人だ。クラスのムードメーカーで、いつもふざけてばかりいた。偶に行き過ぎたいたずらをしてしまい教師に怒られることもあった。だが、教諭達も彼の陽気な性格を高く評価していた。 「……ちょっと薄くなった?」  言いながら、夕子が頭を撫でる仕草をした。現在気にしていることを指摘されて英太は俯いてしまった。流石の彼も痛いところを突かれてジョークが思いつかないようだ。
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