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そこへ遅れてやって来たのは、同じクラスの同窓生、真壁裕也と櫻井志織だった。裕也はスポーツに長けていて、学生時代は他の女子からも人気があった。しかし今は太ってしまい、嘗ての面影は無くなっている。年賀状の写真を見ていなかったら誰だかわからなかっただろう。一方志織は昔とそう変わらない。彼女は2年前に結婚、現在は2児の母である。
「よし、後は溝口だけか」
「うん。あと先生も」
「そうかぁ、結局集まったのは5人だけか」
英太が嘆く。
本当なら、もっと多くの同窓生を集めたかった。20年前、純達6年3組の生徒達は約束をした。20年後、自分達が大人になったとき、必ずまたここに戻って来ると。だがその約束を守れたのは純を含めた6名のみ。殆どの生徒が仕事に追われて集合出来なかった。中には全く連絡が取れなかった生徒もいる。子供の頃は大人になることをあれ程夢見て来たのに、今はあの頃の方が良かったと思っている。純もそんな大人の1人だった。確かに仕事には満足している。でも、代わりに何か大切なものを失った様な気がするのだ。
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