PROLOGUE

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「ええっと……何処だっけ?」  と、英太が記憶を頼りに花壇を探索する。これだけ楽しみにしていたのに、場所を忘れてしまっては元も子もない。 「おいおい勘弁してくれよ、忘れてないよな?」 「大丈夫だよ。そういうお前等も探せよな」  それもそうだ。英太に言われた通り純達も手分けしてタイムカプセルの在処を探し始めた。確か埋めた時に、何か目印をつけておいた筈だ。小学校だから、その目印が無邪気な子供達によって破壊されている可能性も捨てきれないが。 「……あ、ちょっと待って」  志織が何かを思い出してある方向へ走って行った。他の生徒達は必死に目印を探している。川藤はビオトープの近く、夕子はチューリップの花壇、真壁と木戸が梅の木の周辺を散策している。  木戸がため息をついて「疲れた」と声を上げようとした、まさにそのとき、彼の声を遮るように、更に大きな声が花壇に響き渡った。
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