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 遅めの夕食を摂ろうとしていると、突然新たな通報が入った。場所はここから車で1時間程の所にある小学校。そこで男性の遺体が発見されたという。  腹ごしらえを済ませてから事件に臨みたかったが、事件よりも己の欲求を優先させるわけにはいかない。駅前で買った弁当は後にして、坂口達と共に俺も現場に急行した。  今日もまだ肌寒い。コートを着て来るべきだった。慌てて外に出たせいで忘れてしまったのだ。 「いやぁ、寒いな」 「ニュースでやってたけど、今週は丸ごとこんな感じらしいぞ」 「ちっ、参ったな」  被害者の名は溝口利光。この桜輪小学校の卒業生らしい。発見者の卒業生達が教えてくれた。何でも今日は、学生時代に埋めたタイムカプセルを掘り起こす日だったとか。遺体の指や爪の隙間に土がついていたのは、最期の瞬間まで土を掘っていたからなのだろう。また、付近に小さなスコップも落ちていたことから、彼はタイムカプセルを探していたと思われる。  傍らには財布と汚れた万札が落ちていた。犯人は強盗目的で彼を襲い、殺害したものと考えられる。花壇に入って行く溝口の姿を捉え、1人で居るところを狙ったのだろう。花壇の門は簡素な造りになっていて、外からでも簡単に侵入出来るようになっている。重要な機材等が仕舞われている倉庫にはちゃんと鍵がつけられているが、それ以外のセキュリティは万全ではない。
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