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「あなた、桐華学園の生徒なのっ!?」
バックに入った[TOKA]の文字を見て、
思わず大きな声をだしてしまった。
「ああ。そうだけど。」
「じゃあ、サッカー部の人?」
「そうだけど。」
桐華と聞いて、思い浮かぶのはアイツの顔。
「そっかぁ。」
とつぶやく。
「じゃ、俺行くから。」
そういって、彼は立ち去ろうとするから。
「えっ。まって!
助けてくれてありがとう!
何かお礼させて!」
あたしは、とっさに引き留めてしまった。
「いいよ。そんなの。」
「ダメ!お礼させて!」
あたしがしつこく言うので彼が折れた。
いつの間にか、電車の到着予告の放送
が流れていたから。
「今日の帰り、何時ごろこの駅に着く?」
「8時。」
「じゃあ、8時に反対側のホームで!」
あたしはそう言って、電車に乗った。
これが、あたしとアイツの出会いだった。
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