プロローグ

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恋なんて、もう二度と出来ないと本気で思った。 誰かを好きになっても、その恋はいつか必ず終わる。 永遠なんて言葉、もう私は信じない。 そう決意した矢先に、どうして。 どうして私は、終わりが見えている恋に足を踏み入れてしまったんだろう。 嫌いだったのに。 誰よりも、嫌いだったはずなのに。 「……莉菜」 名前を呼ばれる度に、好きになる。 彼の手が私に触れる度に、後戻り出来なくなる。 『恋愛対象外』 その言葉に、何の意味もないと知った29歳の夏。
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