○ Prologue ○

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タマ…。 君のことが 本当に 大切だった。 いつも 甘えた声で すり寄って なついてくる君を 本当に 愛おしく 思ってたんだ。 フワフワしたそのくせっ毛に 指を通すと 君は気持ち良さそうに 目を細めて その仕草が まるで本物の 猫みたいで。 犬派だった僕は 君とつきあって 猫も悪くないな なんて 本気で思ってたんだ。 君を 失った今 僕は どう生きればいい? 自分のせいなのは 分かってる。 君はいつも どんな時でも 僕を 全力で想ってくれていた。 大きな愛で 包んでくれていた。 それを当たり前だと思っていた 自分の愚かさが 招いたことだって。 大切な君を かえりみようとしなかった あの頃の僕。 きっと君を たくさん傷つけたよね。 それでも君は こんなどうしようもない男を 愛し続けてくれてた。 どうしてそのことに もっと早く 気づけなかったんだろう…。 ねぇタマ? 最初から僕には 君しかいなかったんだ。 君じゃないなら僕は もう 誰も愛せない。 ねぇタマ? できることなら君を もう一度この手で 抱きしめたい。 ねぇタマ。 ねぇタマ。 ねぇ… ーーどうして僕の前から いなくなってしまったの?ーー
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