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レイスは、ロンドンの中心街を抜けて森が広がる古い道をひたすら歩く。
暫く歩くと、古ぼけ寂れた教会に着いた。
聖・マリア教会。
レイスが半年前に来るまで、長年に渡って放置されていた廃教会だった。
今は……
「おはよう、ルシア」
教会のドアを開け、レイスは中に入ると礼拝堂の中を掃除していた神父に挨拶する。
神父はレイスに気付くと、屈託無く笑って挨拶を返した。
黒髪で腰まである長い髪を一つに結わえ、黒い神父服を着た青年。
ルシア・ウィーク・ローティド。
ガバッ
「く~!!いつもレイスは可愛いな!!」
「メイド服や裸エプロンも似合うけど……」
「やっぱりシスター服が一番似合う!!」
「この格好で喘がせたら……ちょー可愛いんだろうな!!」
ルシアはレイスを抱き締めると、頭を撫でまくり嬉しそうに笑って次から次へと……
恥ずかしい言葉を並べて行く始末……
「ちょっ……ちょっと……ルシア……」
レイスは恥ずかしくて顔を赤らめ、ルシアに困り果てる。
「白き光よ。神の名の元に邪を祓いたまえ」
「ホーリー・インパクト(光の衝撃)」
不意にレイスの後ろから声が聞こえたかと思えば……
「グホッ!!」
ルシアの腹部に光の衝撃波が現れ……
そのままルシアは後方の壁に吹っ飛んだ。
「……全く、相変わらずルシアは朝からはしたない事を……」
「貴方の趣味に、レイスを巻き込ませるのは辞めて頂きたい」
礼拝堂の二階から、もう一人の神父が降りてくると溜め息をつく。
白髪で、腰まである長い髪をポニテールにし、白い神父服を着た青年。
ミカル・ウィーク・ローティド。
二人は一卵性の双子兄弟であると共に、この聖・マリア教会の神父でありレイスの育ての親だ。
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