恋の終わり

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「雪ちゃんお酒強くないんだから、飲み過ぎたらダメだよ」 「わかってる。ありがとね、絵麻」 …親友の、私を気遣う優しい言葉に少しだけ胸の中が暖かくなった。 会社を出て絵麻と別れ、今日は真っ直ぐ家に帰ろうと思っていたけど。 …なんとなくこのまま帰るのは、寂しい気がして。 とりあえず新しい服を買いに出掛けた。 私はスカートより断然パンツ派で。 シルエットが綺麗に見える物が好き。 新しいデニムに、新しいパンプス。 それから、新しいピアスも。 欲しかった物が買えて、久し振りに満足した。 買い物を終えて電車に乗り、家から最寄りの駅で降りる。 今日夜ご飯これから何食べようかな、なんて考えながら歩いていたとき。 …1軒の小さなバーの前を通り過ぎた。 …正確に言うと、ここがバーなのかはよくわからないけど。 最近いつもこの道を通る度に、実は気になっていたお店。 …お腹もすいたし、今から家帰って作るのも面倒くさいし。 …それにたまには1人で飲むのもいいかも。 ……本当にただなんとなく、私はそのお店の扉を開けた。
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