1人が本棚に入れています
本棚に追加
訳が分からない。率直な感想だった。
いつから? いつからこうなったんだ。
昨日までは皆普通だった。いや、極一般的な会話をしているという点で周りの生徒は普通ではあるが。
しかし、今日……いや、先生の前田が突如馬鹿げたことを言い出したところからおかしくなった。流れ変わった、じゃねーんだよ。
とにかく、この世界が何かおかしいことだけは確かだ。冷静になり、席に着くと俺は考える。
夢だわ、こりゃ。
そう確信した俺は時間を潰そうと、ポケットから携帯を取り出した。前田が俺に注意をするが、知るか。夢だろ。
「的当っ! 校内での携帯は禁止……!? 【教室という名の聖域(オレノタイセツナバショ)】!!」
はっとした表情で、教卓を卓袱台のように返す前田。
また突然訳の分からんことを、そう思い携帯の画面から前田の方に視線を移すと、今日再び驚くこととなった。
なんか教室自体が光ってんだけど。
室内が白い光に包まれていた。パンッ、と乾いた音が響き、俺はその方向、廊下の方を見た。
ガキィン! と教室の白い光に何かが弾かれるような音がした。それは、次々と。
「クッ、テロリストか!? この学校を狙う理由はなんだ、答えろ!」
「俺たちゃお前等に恨みはねえ! だが死んでもらう、それが運命(さだめ)だ!」
「チッ、なら仕方ない! しかしその思想、まさかツェットーヌ教か!?」
「……ほう、いい教師が居るもんだ。しかしその防御壁もいつまで持つかな!?」
くっ、と苦虫を噛み潰したような顔をし、前田は俺達に伏せろと指示をした。
しかし、あろうことか俺のクラスメイトは待ってくださいと前田に抗議をした。
いや、待ってくださいも何も前田、廊下から撃ち込まれる銃弾を頑張ってガードしてんだよ。お前等は一体何を言うつもりなんだと。
最初のコメントを投稿しよう!