FF~フォルテシモ~:救愛

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***  この微妙な空気を、何とかしたい――  それぞれ好きなコーヒーを頼み、席についたのだが。鎌田さんから放たれる威圧感に耐えながら、言葉を選んでる俺。←年上のクセに情けない  そんな鎌田さんに、挑むような視線を送る蓮――まさに水と油、気が合いそうにない。  そして油な鎌田さんに火をつけそうな意見を言う彼女も、結構厄介な存在と思われる。  早く、家に帰りたい…… 「ここのコーヒーショップで、山田と彼女は出会ったんです」  コーヒーを一口飲んだ、鎌田さんが話し出した。 「大学時代彼女に一目惚れした山田が、足しげく通って恋を成就させ、現在に至る」 「随分、はしょったわね」 「アイツの話は、ムダに長いんだ。いちいち説明する必要性はない」 「でも鎌田先輩みたいに、ずっと片想いしてたワケじゃないんですね。すごいなぁ」 「へぇムダに、片想いしてたんだ。すごいなぁ」 「きっ、君はアイツに俺の情報を、うっかりと与えるんじゃない(怒)」  ――3人のやり取りに、おじさん口を挟めません。 「話を変えます。これを見て下さい」  不機嫌丸出しの顔をしたまま、鎌田さんが手に持っていた携帯を見せてくれる。そこに写し出されてたのは、山田くんと蓮が並んで歩いている写真。 「随分と楽しそうに、腕を絡めて歩いてますね?」  チラッと横目で隣にいる蓮を見たら、しまったと顔に書いてあるじゃないか。
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