FF~フォルテシモ~:救愛

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「だってあの時、マットが冷たかったから」 「楽しくないと言ってたのは、どこの誰ですか?」 「痴話喧嘩なら、表でやって下さい。はい、次!」  あきれ返りながら、次の写真を見せてくれた。そこにはスレンダーな美人が悲しそうな表情を浮かべ、どこか見ているモノだった。 「山田の彼女です」 「ゲッ! 山田の奴、こんな美人と付き合ってたの……!?」  ――話は見えた……ふたりが仲良く歩いてる姿を偶然、彼女が目撃てしまったんだな。  写真経由でも俺でさえ、このふたりを見て、じりじりと嫉妬したんだ。ましてや直で見たとなると、ショックは相当なものだろう。 「この写メを、山田に送りました」 「何で!?」  蓮とシンクロして、同じ言葉を言い放ってしまった。 「事実を知らないのは一番の不幸ですし、彼女に呼び出される前に何かしら、対策が練れるでしょう」 「鎌田先輩は山田さんの彼女が嫌いだから、送信したと思いましたよ」  感嘆の声で鎌田さんの彼女が言うと、また呆れた顔をする。
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