FF~フォルテシモ~:救愛

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「え~っ、そんなの出てた?」 「会社で会った時から、君にばっちり放たれてましたよ」  もしかしたらKYな人には、あれが通じないのかもしれない。空気をあえて読まないから、あの視線が全然、気にならないのだろう。 「蓮は史上最強な彼女です。俺の自慢ですよ」  蓮の右手に、自分の左手を絡めて歩き出す。そんな俺の手をぎゅっと力一杯握り締め、嬉しそうにしていた。  自宅に近づくにつれて、否応なしに緊張感が増してしまう。離れがたいのもあるが何かしら、とある行動をしないと……これは絶対だな。  誰かさんの、機嫌が悪くなってしまうから。  そして、自宅前に到着――もし会長に見られたりしたら、間違いなく殺されてしまうだろう。  抱き締めておやすみを言うだけなら、すぐに終わるんだが。  かなりドキドキしつつ、蓮の体に腕を回そうとしたら、俺の首に腕を回して、ちゅっとキスされてしまった。
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