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「だからぁ付き合う気、まったくないから」
ちょっと合コンで軽くイチャイチャしたくらいで、勘違いしないで欲しい。
同期の山田くんが取引先との交流をはかるべく、合コンをセッティングした。独身限定だったんだから、ほとんどお見合いパーティー状態。
女子の人数足りないからと頼まれて、仕方なく参加したもののイケメンGETしようとしたのに、なぜか狙ったイケメンと仲良さそうに喋る山田……
諦めて自分トコの会社のイケてない男としょうがなく交流したけど、その後こうやって、しつこく付きまとわれる結果となったのである。
「だってあんなに、盛り上がって話したじゃないか」
――アンタひとりで、勝手に盛り上がってたんだよ(怒)
こっそり心で毒づきながら、この場をどう治めるか考える。明らかに感じられるイヤらしい視線に、内心うんざりしながら溜め息をついた。コイツは、身体目当ての人間――
「悪いけど、アナタとは付き合えないって言ってるじゃない!」
容姿だけを見る男……ホントの私なんて、見てくれるはずがない。
キッと睨みながら見上げると、
「会社の往来で、何をしてるんですか?」
どこぞの部署から、ひょっこり助け船の声。
これはラッキー、助けられちゃお!! 出てきた男性の傍に、ウソ泣きしながら駆け寄った。
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