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「すみません、○○物産の今川と申しますが、営業部の鎌田さん、お願いします」
帰り支度をしようとしてた、受付嬢に話しかけた。
「ねえ、鎌田さんってこの人?」
蓮が例の紙を受付嬢に見せると、途端に笑い出す。
「蓮、なぜそれを見せたんです?」
「だって、人違いするかもしれないじゃん」
「ちょっとヤダ、カマキリってあっちの人間だって」
受付嬢が、もうひとりの受付嬢に話しかけて、紙を見て大爆笑している……
――ああ、やはり蓮を連れてこなきゃ良かった。
「この紙の人物は、鎌田さんで間違いないです。今、退社するというので、間もなく来るとの事でした」
渡した紙を戻しながら、親切に教えてくれる。
「あっ来たよ、マット!」
俺の腕を引っ張って、鎌田さんのトコに行こうとした。
「蓮、落ち着きなさい」
何かさっきから、引っ張られてばかりいるな。
鎌田さんがこっちを向いた途端、眉間にシワを寄せた。
「……なぜ乳牛女が、ここにいるんだ?」
「なんで、そんな呼び名しか出来ないかな」
「鎌田先輩、女の子に向かってその発言は、セクハラですよ」
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