第1章

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りゅう「きらー遅刻するぞー」 階段の下からりゅうのイライラした声が聞こえる。 やばいな。本気で怒ってる。 きらは慌てながら、カバンに教科書を詰め込んで、コケそうになりながら階段をかけ降りた。 バタバタバタ! …やっと来たか。 りゅうはそう思いながら、リビングにいる母のもとに行った。 リビングの奥には、優しい笑顔をした母の遺影が飾ってある。 そこに座って手を合わせようとしたとき、思い切り頭をぶたれた。 きら「もー!お母さんへの挨拶は一緒にやるって約束したでしょ!」 きらは、腰に手をあててそう言った。 りゅう「しょうがないだろ。きらが遅いのが悪い。」 きら「言い訳はなし!約束はちゃんと守ってよ!」 きらは、さっきより強い口調で言った。 りゅう「うるっさいなぁ…」 きら「うるさいじゃない!!」 父「まぁまぁ、そんなことしてるとホントに遅刻するぞ。」 口喧嘩を続けていると、父がなだめるように言った。 きら「だって~…。」 父「喧嘩してると、母さんも悲しむぞ。」 きら「…はーい。」 きらはしぶしぶ母の遺影の前に座った。
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