彼の家

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「それで、帰れって言ったのになんでまだこんなとこにいるんだ?」 この人になら、話してもいいかもしれない。そう思ってしまう自分がいる。 けれど、さっき知り合ったばかりの人を信用するのもどうかと思う。 だから、嘘をつく。 「星を見てたんです」 「ふーん、星を、ね」 彼は納得がいかないような顔をして言った。 「まぁ言いたくないなら無理には聞かないけど。ここじゃ寒いだろ。俺の部屋来る?」 初めて出会ったときと同じ質問。 この人は暖かい感じがする。きっとこの人は悪い人じゃない。 だから、家におじゃまさせてもらうことにした。
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