昔の恋を足掻く者

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あの最悪な一件によって、調理スタッフの優はNi-naを出ていってしまった。 そのため、新たな調理スタッフが決まるまでアヤは毎日店に出なければならなくなった。 優がNi-naを離れた影響は大きく、予定されていたアヤの講演の日程も、7月下旬頃までの分は全て8月以降に延期せざるを得なくなってしまったのだ。 しかし・・・。 「無理だって! 俺1人でどうにかするから!!」 何度アヤが断っても、彼女はその言葉を一切耳に入れようとはしない。 「大丈夫ですっ! もう安定期に入ったし、調理だけなら力になれるもん!!」 一歩も引こうとしない彼女の様子を、斗真は面白がってケラケラと笑いながら眺めている。 私はそんな2人のやりとりを、気が気じゃないまま見守るしかなかった。
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