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「ボクだってれっきとした勇者なのになぁ。」
ポケットから出した茶色いクッキーを口にくわえながらメソメソ嘆くクォーツ
そのクッキーに三人は興味を示した。
「なんだそれ」
「んー。メイドさんがそっと持たせてくれたお菓子。本当に食べ物が無いときにってくれたんだ。馬車が使えるなら食べてもいいかなって思って」
「お菓子!?」
ダークスに答えたクォーツの話にジロウが食い付いた。
「食べる?」
クォーツは苦笑しながら三枚取り出して差し出す
「いただこう!」
「悪いな」
「ありがとうッス」
ジロウ、ダークス、ジュンジはそれぞれ取ると口に放り込み噛み砕いた。
「あ、」
ガキィィィィン!
はずだった。
なにか堅いものを打ち付けたような音が辺りに響き、ダークスとジュンジは青ざめジロウは口を抑え身悶え耐えていた。
「い、今食べ物を噛んで発する音じゃなかったぞ」
「原形そのまま残っているんスけど」
「歯が、歯がぁぁぁ!?」
そんな三人を見てクォーツはクスリと笑った
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