機人という存在

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瑠璃姫がゴーレムの二体が掘った通路を歩くと途中でコアが膝を抱えて座り込んでいた。 「おやコア、生産施設の管理はどうしました。」 「マスタ・・・もう私にはあれを管理できません。他の方に代わってほしいのですが」 瑠璃姫に気付いて顔をあげるが、その表情には生気がない。 まぁ、体が死人なのでなくて正しいのだが 「うーん。ちゃんと稼働しているようなら放っても構わないですが、どうなのですか?」 「あれが正しいのか、私には理解しかねます・・・何故あのような発想ができたのか、恐ろしくてたまりませんよ」 「ま、見てみましょう」 瑠璃姫は先を進み、ひとつの縦穴の中を覗き込む 「ぅあー」「ヴァー」「びゃああ!」 幾つもの叫びが聞こえ、延々となにかを捕食しつづけるような音も聞こえた。 「蠱毒をベースにしたこれ、稼働は問題なさそうですね。あとはゴーレムに手早く進化してしまえばいいのですが」 この縦穴の中には、『魔力の泉』(50000P)という、魔力を含んだ水を放出するものを召喚し設置。 それにより大量の泥人形が発生、それらに『同族以外の捕食』を禁じ、魔力の濃縮をさせてゴーレムへ進化させるのが目的である。 瑠璃姫はこれによりゴーレムコアを生産するつもりなのだ。
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