一方その頃のあいつ

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かつて、数回だけだが竜人の里に訪れただけだがこの島国で一番高い山にあるというのは覚えていたため迷うことはない。 空さえ飛べれば半日もあれば到着しただろう。 が、戦闘を避けて地を進むため一晩明かさねばならないかもしれない。 そう考えていたが、しばらく進むと辺りは薄暗くなり始め、サファイアはそれを決意した。 枯れ木を砕き、火を吐き点火。 焚き火にするとサファイアはリュックサックから干し肉を取り出す フォレストンの腿そのものでそれの骨を剥き出しになった部分を焚き火に放り込んだ。 焚き火の中で脂が跳ねていくのを眺めながら里の記憶を思い出すサファイア 「ふ、あそこへまたいく日か来るとはな。」 浮かんできた記憶は色々である。 初めてできた友達と里の広場を駆け回った日々、イエロードラゴンの美女を見た途端爆笑されたり、ブルードラゴンの少女に告白したら「きもい」と断られたり、その直後レッドドラゴンの親友に後頭部蹴られたり、集団リンチされたり、追いかけ回されたり、崖から叩き落とされたり (・・・嫌な思い出しかなかった。行きたくねぇ) 思わず頭を抱えるサファイア 言わずもがな引きこもりニートになった原因である。
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