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「なにしてるんや」
そんな二人にジロウは呆れ顔で近づいてきた。
少年はジロウを見るといきなり泣き始めた。
「うわぁぁぁぁん!やだやだやだ死にたくないよぉぉぉ!」
「おおう!?」
いきなりの出来事に驚くジロウ、そしてクォーツとダークスはひそひそと会話した。
「ねぇ聞きましたダークスさん。」
「ええ聞きましたよクォーツさん。どうやらとんだ暴君らしいですよ」
「おいそこ!」
まるで奥様方のような会話し始めた二人を指差すジロウだが、泣き叫ぶ少年を撫でてあやしはじめた。
「なんでお前さんを殺さなきゃいかんのや」
「女王に幸福じゃないと殺されるぅぅぅ!いやぁぁぁあ!」
「やかましい!」
「「あ」」
いまだ泣き叫び続けた少年の首筋にチョップをくわえて気絶させた。
「ひ、ひどいなあんさん」
「悪魔か!?」
「勇者だよ!?ほら、この子馬車に乗せて城へいこうよ。」
クォーツは少年を担いで馬車へ向かう。
「あー。ババア絡みか。」
「どういうことなんだ?」
「・・・幸福絶対主義でな、この国では幸福が義務みたいなとこがあるんや。マジ老害や」
心底嫌そうな顔のジロウにダークスは首をかしげる
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