魔方陣からは絶対に逃げられない

2/9
38人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
目を開けると、そこは何処までも広がる薄暗い森。 辺りを見渡すと見たこともない品種の巨木等が大きな枝で空を覆い隠していた。 そして、目の前には今にも俺を食い殺さんばかりに威嚇している毛並みが真っ青の狼。その足元で気を失っている金髪ポニーテール少女が一人。 「グルル……」 いや、狼にしては大きすぎる。 例えるなら某物の怪な姫に出て来る山犬の神ぐらいの大きさがあるのではないだろうか。まぁそんなことよりも気になることがある。 「……一体どうしてこうなったんだ?」 迫りくる狼を気に止める様子は一欠片もなく、少年は平然としたまま呟いた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!