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僕は『天城ハルト』
『私立神無月学園』に通う高校一年生だ。
…と言っても今日から、だけどね。
今日は入学式。
やっとの思いで合格できたんだ…!
胸を張って堂々としなきゃな!
なんと言ってもこの『私立神無月学園』は僕の住む『天龍島』の超名門校なんだ!
さっきから顔のにやけが止まらない。
はたから見たらただの変態だな…。
…よし!気を引き締めよう!!
それにしても、ついに今日から高校生かぁ…。
これからが楽しみだなぁ…!
「…アンタ、いつまで玄関でにやけてんの?」
「うわっ!!
な、なんだ姉さんか…。」
この人は僕の姉さんで、名前は『天城ミカゲ』
実は僕が無事に合格できたのは、姉さんが付きっきりで勉強を教えてくれたからだったりする。
「なんだとはなんだ、なんだとは。
今日から私はアンタの先輩なんだから、口の利き方には気をつけなよぉ~?」
「な、なんだよそれ!?」
もちろん、姉さんは『私立神無月学園』の生徒だ。
しかも、生徒会長!
姉さんが生徒会長なんて、すごく誇らしいなぁ…。
「ほーら!
早く行くよ?ハルト!!」
「うん!わかったよ姉さん!
行こう!!」
今日から頑張るぞ!!
そして高校ライフを楽しむんだ!
「ハルト、忘れ物とか無い?」
「ばっちりだよ、姉さん!
なんて言ったって昨日の夜に10回も確認したからね!
おかげで、ちょっと寝不足…ふわぁ…。」
「アンタねぇ…ま、ハルトのそういうトコがいいんだけどっ!」
「なっ!急に抱きつくなよな、姉さん!!」
「えぇ~?いつも家でやってるし、いいじゃーん!」
「ぼ、僕だってもう高校生なんだ!
いつまでも子供じゃ……ん?」
なんだろう…唄が、聴こえる…?
「どしたのハルト?」
「えっ?い、いや!何でもないよ!!
それより早く行こうよ、姉さん!
初日から遅刻なんて僕は嫌だからね!!」
「わかったわかった、じゃあ続きはまた家に帰ってから、ネ?」
「はいはい…。」
…なんだったんだろう。
気のせいかな?
姉さんは聴こえてなかったみたいだし…。
…まあ気にしないことにしよう!!
初日から不思議ちゃんのレッテルを貼られたくはないしね!
さあ、新しい生活が僕を待っている!!
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