第六魔導学院

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「なら、放課後に第四アリーナに来い。使用申請は出しておく」 「え?今やらないの?」 「ふぅ、君は馬鹿かい?こんなとこで戦ったら施設が壊れるだろう」 「いやまぁそうだけどさ」 臨戦態勢になっていたところを延期にされたのだ。 白けるというか興ざめというか。 「いいね?逃げるなよ?」 「お前こそな」 互いに笑みを浮かべ、当真は二人の前から立ち去った。 緊迫していた空気も緩み、クラスメイトは先ほどまでのように友人との会話に戻っていた。 「まったく、いきなり喧嘩をするとはな」 呆れたように言う衆。 「学院の力を試すにはちょうどいいじゃん。Aクラスの実力者がどれほどのもんか、試してやるさ」 「相手は天宮の者だ。実力は相当なものだぞ」 「知ってるの?」 「日本でも有数の名家だ。特に雷系の魔導においては日本でも最高峰だろう。 イギリスのリディス家、日本の天宮家といえば雷系魔術の先駆者だ」 魔導には数多くの属性が存在する。 その中でも自然属性を司る魔導士は多い。 雷属性もその中の一つで、天宮家は雷系の魔導を数多く生み出してきた名家でもある。 天宮家特有の固有能力も擁しているという話だ。 「天宮当真。次期当主の男だな。実力も歴代最高峰という噂だ。第一魔導学院からも推薦が来ていたという噂だったが」 「へぇ、七峰お前何でも知ってるんだな?」 「情報は最大の武器だ。情報収集力も生き残るためには必要な能力だよ」 「ふぅん。そういう小難しいのは俺には無理だな」 頭をかきながら答える敦司。 すると、教室に一人の男性が入ってきた。
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