第六魔導学院

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「七峰 衆(ななみね しゅう)だ。高校からの編入組だ」 少年、七峰衆の手を握り返す敦司。 「遠夜敦司。同じく編入組だ。よろしくな」 ニッと笑みを浮かべる敦司。 「そんで、七峰。道分かる?」 「まぁ俺も来たばかりだから探りながらだが、多分こっちだろう」 「いやー助かるわー。入学式遅刻するとこだったわ」 敦司は七峰の横に立ち自分たちのクラスを確認するため電光掲示板へと向かった。 「同じ編入組の俺が言うのも何だけどさ、七峰は何で魔導学院来たんだ?」 敦司の言葉に、一瞬視線を寄せてから衆は答えた。 「力が欲しくてね。もう何も奪われないように、全てを、殺しつくすための力が」 あまりに冷たい言葉には、殺気すらこもっているのではないか。 そう思える程、衆の表情と言葉は冷たかった。 「そうか。お前もか」 軽く答えてニッと笑う敦司。 「遠夜もか?」 「まぁ、そんなとこ。別に珍しくねぇだろ。魔族に家族を殺された奴ってのは少なくねぇ。この学院にもいるだろうし、一般の学校に行った知り合いにだっている。 魔族は、俺たちにとって敵以外の何物でもないんだからな」 「…そうだな」 「お、あれクラス分けじゃね?」 人だかりが出来ている辺りに視線を向け、敦司が言う。 「そうみたいだな」 「何組だろー。ここって入試の結果でクラス分けされんだよな?」 「そう聞いているよ。Aクラスが上位、Fクラスが最下位のはずだ」 魔導学院共通の決まり事だ。 魔導学院はあくまでも魔族と戦うための力を学習する機関。 すなわち力が絶対の機関だ。 ゆえに強い者はより強くなるための授業を重ねる義務がある。 そのための実力分けだ。
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