第六魔導学院

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第六魔導学院高等部。 広い校舎の中を探り探りで歩いていく二人は、下駄箱に靴を置いて事前に配布されていた上履きに履き替え1年B組の前に立っていた。 「うっはぁ、楽しみだなぁ」 「そうだな。さ、じゃアウェーだろうが入ってみるか」 「直に俺らのホームさ。さ、行くぜ!」 敦司は勢いよく扉を開けた。 すると、教室の中にいた者たちの視線が一斉に二人に向けられる。 まるで吟味するように視線を走らせるクラスメイトたち。 二人はそれを気に留めず黒板に書かれた座席表に目を向ける。 「お、七峰と席前後じゃん」 「『と』と『な』だからな。あそこか」 階段状になった座席の真ん中あたりを見て敦司と衆は登っていく。 するとヒソヒソと話す声がわずかに聞こえる。 「編入生?」 「珍しいな。編入組でいきなりBクラスかよ」 「入学より難しい編入試験でB判定か」 注目を浴びるのは分かっていた。 周囲の在籍組は見慣れた者たちばかりのクラスだろう。 そんな中に見知らない顔がいれば気にもなるだろう。 彼らからすれば敦司たちは転校生と同じなのだから。
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