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今にも泣き出しそうな姿にギョッとするあまり彼等は気付いていない。
が、どうやらまーは寝ぼけている様子。
実は、眠る前に見た本の中の子猫と、傍らにいる副隊長達の姿がごっちゃになっていたのだ。
つまり、まーの目には猫耳と尻尾付きの三人が見えており、触ったらフワフワ・もふもふ、幸せ~…♪
そう思っておねだりしたのに、触っても全然モフモフじゃない。
お願いを聞いて貰えず、モフモフを隠されてしまった――と、悲しんでいる状態なのである。
「ふぇ……モフモフ、何処ぉ? いじわる、しな……で……」
「えええ!? まー、なな何でッ?」
「なな泣かないで、まー!?」
「モフモフ……?」
あげく、本格的に泣き出してしまったまーに右往左往する始末。
ほのぼのながら、やはり滑稽である。
と、その時。
ピンポーンピンポーンピポピポピンポーン
「ああ!? 誰だよこんな時に」
「まーがゆっくり休めないじゃないか。常識ってものが無い人間に決まってるよね」
「……うるさい」
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