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幸い、銃口の先は境内の土の部分で誰にも被弾しなかったものの、これが魔理沙に向けられていたかと思うとぞっとする。
もしも当たったら、ただじゃ済まない。
「すげぇ! 今の弾幕だろ!?」
予想外の反応を示す魔理沙。俺は少し呆ける。
「え、あ、その弾幕ってなんだ?」
すると魔理沙は手を外に向けて。
その掌に光――正確には星形の光みたいなものが出来、そして結構なスピードで放たれる。
その光がぶつかった地面は焼け焦げていた。
「これだぜ」
「……じゃあ俺も弾幕を撃てるってことか?」
「そうだな。弾幕が撃てるってことは能力があるってことだと思うんだけど……。零夜、分からないか?」
「分からん。知ってたら、話してるよ」
「んー。そうかー」
魔理沙はそれから腕を組み、考え始めた。
俺は自分が握っている拳銃に目をやる。
どうして自分がこんなものを持っているのか。
一体、記憶を失う前の俺は何だったのだろう……?
「……どうしたの、二人とも?」
そこで霊夢が部屋に戻ってくる。
抱えているお盆にはお茶を淹れる急須と三つの茶碗が乗っかってあった。
なんだかんだで気が利く霊夢だった。
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