二 能力、スペルカード、そして弾幕ごっこ 

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 でもまあ、一つだけそれが自分の能力だと思い当たる節があった。 「何か力、操れないの?」 「……多分、今は一つだけ」 「おお! じゃあ見せてくれよ」  俺は立ち上がり、裸足のまま境内に出る。  俺が手招きして、魔理沙も出て来た。 「で、どうするんだ」 「そこに立っていてくれ。魔理沙は何もしなくていい」 「分かったぜ」  霊夢と魔理沙が俺を見る。  俺は目を閉じ――開いて――! 「……は?」  次の瞬間。  俺は目の前に立っていたはずの魔理沙の後ろに回り込んでいた。  そして魔理沙の帽子を一回掴んで、持ち上げ、そして下ろす。  大した意味はなかったのだが、勢いよく魔理沙の体が回って俺と対面になる。 「……今、どうやって?」  幽霊でも見るような顔で魔理沙は俺を見る。  俺は少し笑って、手で足を叩いた。 「こいつの力を操ったんだ」 「でも……それにしちゃあ、速過ぎないか?」 「そうだな。速過ぎ」  力を操れたもの。  それは自分の体力で、今のは脚力を上げた。  しかし自分でも分からないことがある。  いくら速くても、それに感覚がついていかないと意味はない。あの速過ぎる速度を出したにも関わらず、自分の感覚がそれについていけたのが、異常だ。  身のこなしが自分のものではないようだった。 「……へぇー。こいつは面白い!」  魔理沙が急にそんな事を言う。  どこか興味を持っている様子だ。 「うんうん。弾幕も撃てるんだし、能力も使えてるし……」 「……」  嫌な予感がするのは気のせいか? 「ちょっと魔理沙? あんた……」  霊夢が魔理沙に予想内の答えを聞くような質問口調で訊く。  魔理沙は、満面の笑みを浮かべて、霊夢の方を向いた。 「どうかしたか、霊夢?」 「……いや、いいわ」  何故だか知らんが今、霊夢に見捨てられた気がした。  気のせいだと思いたい。  そう思う俺に魔理沙が顔を向けた。  相変わらずに笑ったまんまで。 「なぁ、零夜。幻想郷の最後のルールを教えてやるぜ」  ……。  嫌です、と言える雰囲気ではない  しょうがなく、俺は頷いた。
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