92人が本棚に入れています
本棚に追加
ということで。
「……零夜ー! 準備はいいかー?」
「ああ。一応オーケーだ」
得体のしれない成り行きで、魔理沙と弾幕ごっこをする羽目になりました。
正直、さっきのあれ。マスタースパークだったか。あれのインパクトが大きすぎて、何の気概も湧いてこねーよ。
俺も霊夢からスペルカードの素は渡されはしたが、まだ出来てないし。
「……」
そして一番困るのが魔理沙と俺の火力差だ。
魔理沙の星形の弾幕はそれなりの大きさで結構なスピードで飛ぶ。
対し俺の弾幕は確認したところ、拳銃からしか出ない。正確には拳銃以外からも出せるのだが、速度がでない。ふよふよと浮いている灯りみたいなものに早変わりだ。
しかし、弾幕の速度は最高峰。代わりにサイズが最小と、バランスの悪い弾幕だった。
まさに拳銃の弾丸そのものである。魔理沙みたいにばら撒くことも出来やしない。
「ルールの確認をするぜー。先に一発着弾した方の負け。スペルカードは一枚だけな!」
「おう!」
仕方ない。能力と弾幕だけでここは乗り切るしかないか。
力を操る程度の能力でさっさと終わらせよう。
一発だけ当てるのなら、俺にも勝機はあるはずだ。
「そんじゃー、よーい、どん!」
開幕と同時に俺はさっきと同じことをする。
脚力を操り、一気に魔理沙の後ろへ――。
「……あれ?」
後ろに回り込んだはずなのに、魔理沙はいない。
俺だけが誰も居ない空間に拳銃を突き付けている形になる。
完璧に後ろを取ったはず、なのに。
最初のコメントを投稿しよう!