三 VS霧雨魔理沙

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 魔理沙のスペルカード使用時間も過ぎ、極太のレーザーも消え去って。 「……っと」  魔理沙は地面に降りて来た。  大した用心もせずに、自らが放った技で粉塵が舞い上がっていて視界が良好ではないにも関わらず、だ。 「あー……。やりすぎちまったか?」 「なんだってー?」  そして魔理沙の後ろからひょっこり登場。  銃口を魔理沙の頭に押し付ける。 「なっ!?」 「ちゃんと目視確認出来るまで降りてこなければよかったな」  魔理沙が息を呑んでいるのが後ろからでも分かる。  後ろを向こうとしたのを銃口をもっと押し付けることで制す。 「おま……どうやって私のマスタースパーク避けた!?」 「……いやー。土壇場でこれが出来るようになってなきゃ、危なかったぜ」  魔理沙は見えないだろうが今俺は、飛んでいる。  ギリギリの、あと一秒遅れていたら完璧に直撃していた。  空を飛ぶって、大変だね。 「……まぁ、いいさ。さっ、幕引きだ。さっさと弾幕を当てろよ」 「……参った」  言うと、魔理沙がずっこけた。  すぐに振り返り、俺の顔を覗き込んでくる。 「はぁ!?」 「いや、もう無理。大体、俺病み上がり」  両手をひらひらと振って、降参の意を示す。  魔理沙は口を開いて、唖然としていた。 「弾幕ごっこは魔理沙の勝ちで」 「……不服だぜ」 「素直に受け取れ」 「後味悪いだろ」  まったく。  病み上がりにあんなものまで撃っといて。  あそこまで勝ちたかった癖に。
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