三 VS霧雨魔理沙

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「俺はもうしんどいから、神社に戻るぜー」 「おい! 待てよ! まだ納得してねぇぞ!」  後ろからギャーギャーうるさい魔理沙の喚き声が聞こえるが、意図的に無視する。  悪いが構うのも億劫だ。今の俺はそれぐらい、体力がない。  あ、それと気づいたこと。新事実。  俺の能力はどうやら、無い力を操るのは無理らしい。  どういう事かというと、0から1は無理。つまり、体力がゼロに等しい状態に陥ると、腕力増強とか脚力増強とかが無理になる。  今俺が出来るのは空を飛ぶことぐらいだけだ。空を飛ぶのに使ってるエネルギーって何だろう。  摩訶不思議パワーとかか? 幻想郷なら溢れてそう。 「おい、零夜!」 「って、耳元で大きな声出すな!」 「お前が聞いてないからだろ!」 「あーあー悪かった。じゃあ、俺の勝ちで」 「それも嫌だ!」 「じゃあ、引き分けで」  すると魔理沙は俺にしがみついていたのを止め、俺から退いた。  魔理沙の顔を見ると、渋々だが納得したという表情だ。 「よし、戻るぞ」 「おう」  境内を歩き、神社へ向かう。 「お疲れ様。どっちが勝ったの?」  霊夢が声をかけて来た。勝敗が気になるようにはとても見えないのだが。 「……あんた誰だ?」  俺が気になるのは霊夢の傍にいる奴。  霊夢の隣に居る、黒い羽根の生えた女の子がいた。  片手に団扇。もう片方に、カメラがを携えて。  そして飛び切りの営業スマイル。  怪しさぷんぷんだな。
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