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「俺はもうしんどいから、神社に戻るぜー」
「おい! 待てよ! まだ納得してねぇぞ!」
後ろからギャーギャーうるさい魔理沙の喚き声が聞こえるが、意図的に無視する。
悪いが構うのも億劫だ。今の俺はそれぐらい、体力がない。
あ、それと気づいたこと。新事実。
俺の能力はどうやら、無い力を操るのは無理らしい。
どういう事かというと、0から1は無理。つまり、体力がゼロに等しい状態に陥ると、腕力増強とか脚力増強とかが無理になる。
今俺が出来るのは空を飛ぶことぐらいだけだ。空を飛ぶのに使ってるエネルギーって何だろう。
摩訶不思議パワーとかか? 幻想郷なら溢れてそう。
「おい、零夜!」
「って、耳元で大きな声出すな!」
「お前が聞いてないからだろ!」
「あーあー悪かった。じゃあ、俺の勝ちで」
「それも嫌だ!」
「じゃあ、引き分けで」
すると魔理沙は俺にしがみついていたのを止め、俺から退いた。
魔理沙の顔を見ると、渋々だが納得したという表情だ。
「よし、戻るぞ」
「おう」
境内を歩き、神社へ向かう。
「お疲れ様。どっちが勝ったの?」
霊夢が声をかけて来た。勝敗が気になるようにはとても見えないのだが。
「……あんた誰だ?」
俺が気になるのは霊夢の傍にいる奴。
霊夢の隣に居る、黒い羽根の生えた女の子がいた。
片手に団扇。もう片方に、カメラがを携えて。
そして飛び切りの営業スマイル。
怪しさぷんぷんだな。
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