三 VS霧雨魔理沙

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「あやや、これはこれは。あなたが霊夢さんの言う新しく来た外来人の方ですね」 「……あんたは明らかに人間ではないよな」  言うと笑顔でそいつは頷いた。 「はい! 私は『鴉天狗』の「汚く狡賢い」射命丸文です」 「おい、混ざってるぞ」 「あやー……。霊夢さん」  悪びれず、どこ吹く風で霊夢は無反応。  神社の縁側に座ったまま自分の茶を啜ってる。  ふと、魔理沙が横から肘で俺の脇腹を突いてきた。 「なんだ?」 「霊夢が付け加えたものはあながち間違いでもないぜ」 「酷いですよ、魔理沙さんまで!」 「事実は事実だ。お前に何回ろくでもない事書かれたか」  なんなら家の山漁ってみるか、と魔理沙は文に向かって言う。  すると文もうっと、下がった。 「? 文はライターか何か?」 「ええ。新聞記者をしています」  服の中からお気に入りらしい手帳を手に持ち、にっこり笑って俺に見せる。  俺はそれをまじまじと見て、記者がどんな事を書いているか、興味を惹かれた。 「なぁ。中身、見せてくんない?」 「駄目です! 何をあなたは言うのですか!?」  あれ?  手帳ってそんなに大事なモノなんだ。 「これは今日会ったばかりのような人には見せられません!」 「私達も見せて貰ったこと、ないよな」 「そうね。気にはなっていたけど、どんな真実と嘘八百が書かれているのかしら?」  魔理沙と霊夢がすかさず、逃さず切り崩す。  文も少し自分の発言に失念しているようだ。 「と、とにかく見せるわけにはいきません!」  うーん。  興味が湧いたけど、まあいいや。  俺は早々に諦め、少し気を惹かれ出した霊夢と魔理沙も俺が言いくるめる。
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