三 VS霧雨魔理沙

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 文の手帳について皆が興味を持たなくなったところで、文が口を開いた。  視線の先には俺が居て。 「今日は零夜さんに用があったんですよ」 「俺?」  まだ幻想郷に来て一日目のはずだが、どうして。  すると文が少し付け加えた。 「いいスクープが無いかと思って博麗神社に来たら、魔理沙さんと誰かが闘っているではありませんか、と。そして霊夢さんに事情を聞けば、新しく外来人――正確には新たな幻想郷の住民が来たではありませんかってね」  これはスクープだ、と文は思ったという。 「それで俺に、インタビューというわけか?」 「はい!」  またもや飛びっきりの営業スマイル。  先程の霊夢と魔理沙の発言も相まってか、信用がいまいち置けない。  大体、初めて会った奴を信用するのもおかしな話か。 「駄目、ですか……?」 「……うーん」  俺が迷っているとまた魔理沙が突いてきた。 「やめといた方がいいぜ零夜。どんな事書かれるかわからねえぜ?」 「うーん」  どうせこのまま手ぶらで帰らしても、きっと俺の事は記事に載るだろうし、ならいっそ別にいいか……? 「まぁ、いっか。どうぞ俺の事好きなだけ書きな」 「ありがとうございます!」  すると霊夢のため息と魔理沙のため息が、聞こえた。  曰く、このお人よし、だとか、どうなっても知らねえぜ、とか。  今更、少し不安が出て来た。
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