三 VS霧雨魔理沙

9/10
前へ
/351ページ
次へ
 数分間、訊かれるだけ訊かれまくって。  俺の情報という情報をこってり絞られて。  そして満足げに最後の質問を聞いて、俺が答えて、そしてインタビューは終わった。 「ありがとうございます! これで記事が書けます!」 「そりゃ、良かったね」 「はい!」  喜んでいる姿を見ると、こちらにも何かは知らない嬉しさが伝わる。  特に無邪気な笑顔というものは、人を無条件で暖かい気持ちにしてくれる。 「それじゃあ、記事書くの頑張れよ」 「はい! それでは!」  と、文が飛び立つ直前。  くるりと回って、俺と対面になった。 「私の名前は射命丸文。清く正しい射命丸、です!」 「……それが言いたかったのか?」 「はい! じゃあ今度こそ、さらば!」  そして勢いよく飛び立った。  急発進した文は翼をはためかせ、見る見るうちに空の彼方へと消えてった。 「……はえーよ」  そこで肩に手が置かれた。  振り返ってみると、魔理沙がいた。 「どうした?」 「……ちなみに、あいつが現幻想郷最速だぜ」 「……成程」  道理で速いわけだ。
/351ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加