身に纏う

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わかった、と肩をすくめてみせると、おー、と数人から拍手が起こった。 「名前はさっき言ったから覚えてる、と思うけど、佐倉美果です。 歳は22、趣味はゴロゴロすることです。 あなた達には古典を教えます。 それじゃあ、一緒に楽しいクラスにしようね!」 にっこり笑って、そう言えば、拍手がもらえた。 人前で自己紹介することなんてなかなかないから、恥ずかしかったんだけど。 みんなが嫌がるのも分かるよ、うん。 「それじゃあ、相田さんから順に―……」 やっとHRが進む。 そう、思ったのに。 コン、コン、コンとご丁寧にドアをノックされて。 はーい、と返事をしながら教室の入り口へと顔を向けると。 ガラガラっと、ドアの開いた音が教室に響く。 そこに立っていたのは。 「……………おい。」 なんで、ここにいるの?
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