プロローグ

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冷たいなー、なんて笑う彼を横目に、自分と彼の分のお弁当を取り出す。 今日はちょっと手抜き。サンドイッチである。 なのに、相変わらず、うまそう、なんて呟く彼には、きゅん、とせずにはいられない。 「早瀬先生はサンドイッチの具、何が好きですか?」 ふと、気になって聞いてみると、あれ、なぜか不機嫌。 むすっとして、また眉間にしわを寄せている。 まだ理由が分からず、首を傾げていると、名前、とぼそっと呟かれた。 「二人になったら、"先生"やめろって言っただろーが。堅苦しい。」 あ、と声を漏らした私を、じとっと見つめてくる。 「…りゅ、瑠斗は、サンドイッチの具、何が好き?」 恥ずかしい思いをしつつも、なんとかもう一度聞き直すも、 「……………お前。」 まともな答えは返ってこなかった。
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