身に纏う

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校長先生の声と、拍手しか響いていない、静まっていた体育館が一気にざわめき出す。 ん……!?私は何をやらかした!? 嫌な汗が背中をつぅっと流れた。 ………返事、した。大きな声で、はっきりと、返事しちゃったよ、私!! 校長先生もびっくりして、紹介文読むのやめちゃったよ!! ひとまず、落ち着け、落ち着くんだ、私。 名前を呼ばれたら、一歩前に出てお辞儀。 とりあえず、一歩前に出てお辞儀をする。 顔を上げると、体育館内の視線を独り占めしていた。 校長先生は相変わらず、ポカンとしたままなので、自ら名乗ることにした。 「ご紹介にあずかりました、佐倉美果です。 担当教科は国語で、特に古典の方を得意としています。 どうぞよろしくお願いします!」 やけくそのように言い切って、ぺこっと頭を下げた。 しん、と静まった体育館。 緊張と、失敗した恥ずかしさで、もう涙が出そうだ。 パチ、パチ、パチ。 一人が拍手をする。と。 生徒たちが一気に拍手をし始めた。 ほ、と胸を撫で下ろし、もとの位置へと一歩下がると、気をとられていた校長先生がようやく我に返り、 「……よろしくお願いします。」 と、落ち着いた声色で告げてくれた。
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