69人が本棚に入れています
本棚に追加
私、佐倉美果、今日からこの高校で国語科教師として勤めます。
私のモットーである、"無難であること"は早くも音を立てて崩れ去りました。
初っぱなから、あんな……
大丈夫かな、私…
はぁ、と重い息を吐きながら、長い廊下を歩く。
「あれ、佐倉先生?どうしたんですか、ため息なんかついちゃって!」
「あ……木野(キノ)先生…!」
隣でぴょこぴょこしているのは、木野苺(イチゴ)先生。
私が担当する一年生と同じ学年団の先生で、可愛らしい女性だ。
同じ学年団の先生とは、以前にお祝いをしてもらって、大分仲良くさせていただいていて。
特に、木野先生とは、フィーリングがとても合って、昔からの友達かのような感じがしている。
その本人は、身長や顔の可愛さ、どこを見ても、名前のせいか木苺を思い出す。
150㎝くらいの小柄さに、童顔、これを見てまさかアラサーだと思うことはないだろう。
「どうしたのって、さっきの新任紹介です……
初日からあんな失態…」
「あんくらい気にすることないって!少し気合いが入りすぎてる綺麗な先生ってくらいにしか思われてないよ!」
「気合い入りすぎてるって思われてるじゃないですかぁっ!」
綺麗なんてお世辞には誤魔化せられませんよ、とジト目で先生を見る。
「なぁに言ってんの!こんなナイスバディしといて!」
羨ましい!とバシバシ腕を叩かれる。
まぁ、木野先生は力も小さいから、叩かれるっていうよりは当たってる、くらいなんだけど。
それにしても、羨ましいか?これ。
最初のコメントを投稿しよう!