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しばらくしてから着替えを済ましたクロノは思い出した。
(そう言えば夢の声が地下室に来いって言ってた…まあ夢だし!今日は父上のバースデーパーティで王家は出席するよう言われたし!そんないかにもアニメっぽいシュールなことなんてそうそうないし)
そう言い切り、夢は忘れようとした。
『まあまてよ。ちょっとだけ、な?』
(!?)
どこからともなく声が聞こえてきた。
「誰だっ!侵入者か!姿を見せろ!」
クロノは体術が得意である。王子であろうといざとなれば敵から身を守らなければならない。
クロノは身構え、目つきを鋭くした。
『落ち着け。別に侵入したわけじゃない。ここにいるんだよ。今の国王のお祖父ちゃんのお祖父ちゃんのお祖父ちゃんのお祖父ちゃ…あーもう!とにかく!それくらい前からいるわけ!』
「どういうこと…?」
クロノはいつもの目つきに戻り、問う。
『今は直接頭に話しかけてるけど、夢でもこんな感じで話しかけたろ。声は違うけどさぁ』
確かに、夢で聞いた声はもっと綺麗で透き通った声だった。でもこの声は…
「なんかこの声子供っぽいな…」
クロノがつぶやく。
「ついでに口調も。」
クロノは少しからかうように言ってみる。
『う、うるせぇな!とにかく早く地下室に来い!分かったな!?』
頭の中に聞こえた声は少しキツめに言って頭から消える。
(短気…だなぁ……!ていうか、そんなシュールなことあった!)
「…うーん」
クロノは正直困っていた。
(今すぐ来いって感じだったけど…パーティ欠席することもできない…)
ウロチョロウロチョロして考え、窓から空を見上げた…
「どうしよう…」
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