2人が本棚に入れています
本棚に追加
「何でお前ら俺に嫌がらせばっかすんの何なの」
「面白いから」
ポッキーを食べ終わったらしい実里は、次にキャンディーを取り出して口に含んだ。
実里は、いつメンの中では1番かっこいいという羨ましいポジションにいる奴だ。ラブレターとか貰ったりしてるの見たし。
サラサラな黒髪に切れ長の目。いつも冷静でクールなとこもモテる理由だろうけど…。
こいつは凄く甘い物が好きだ。糖尿病になるんじゃないかと心配になるくらい。
少しくらいなら分かるけど、財布の中身八割くらいはスイーツに消えてるらしい。
昼ご飯がケーキだったときもある。あれはさすがに引いた。
彼女がいた時もあったけど、デートもせず甘い物にしか金を使わないことが理由でフられたらしい。
「…………………」
実里の言ったことにコクコクと頷いている俊希。
こいつはこいつでやっかいだったりする。
だってほとんど喋らないんだもん!前髪長くて表情わかんねぇしさ!
制服の着方もだらしないし、いかにも適当。ザ、適当。
…まぁ、1番いい奴なんだけどさぁ……。
机に書いてたのも、他の2人はただの罵倒だろうけど、こいつに限っては俺への文句だろう。
「裕也がいいリアクションするのが悪いんだよぉ~」
クスクスと萌え袖化している手で口元を隠しながら笑う皐月。
髪も雰囲気もふわふわしていて、顔立ちも女の子らしく、背丈も小さめ。というか凄く可愛い。
そのため女の子と間違えられてナンパされたりも少なくない。
見た目は、見た目だけは天使みたいだが、中身は悪魔。
ナンパしてきた奴に女の子のフリしていろいろ奢らせ、最終的に男だとバラす、ということを毎回やっているらしい。
腹黒いんだよ…とても…。
「お前らふざけんなよ…消せ」
「面倒くさい」
「…………(コクコク」
「裕也頑張れ~♪」
「しばくぞ消せ」
チッ、チッ、チッ、と三つも舌打ちが聞こえてきた。
俺、今回に限ってはまったく悪くないと思うんだが…。
というか俊希まで舌打ち?
のろのろと消し始める三人。
……これ、絶対授業までに間に合わねぇ……。
最初のコメントを投稿しよう!