第1章

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「源口」 「…はい」 「この落書きだらけの机は何だ」 「気のせいだと思います。先生、恐らく眼鏡の度があってませんよ」 「どこをどう見れば俺が眼鏡をかけてるように見えるんだ」 案の定間に合うわけないし。 一生懸命教科書広げて落書き隠してたけど、先生の素晴らしい勘で俺の工夫された教科書を除けられた。 …まぁ、今思うと他の教科の教科書出してたからしまわせようとしただけなんだろうけどねっ! 「消せ」 「…何で俺が……」 「あ?」 「喜んで消させていただきます」 一睨み効かせ、先生は自分の担当している数学の授業に戻った。 怖ぇ…絶対元ヤンだわ…。 しぶしぶ消し始めると、何やら斜め前辺りから嫌な視線を感じた。 …まぁ…予想はつくけど。 そっちに目を向けると、やっぱり皐月がニヤニヤしていた。 大方「裕也ひさぁ~ん~。ごめんねぇ?(笑)」ってところだろ。 イラッ。 消してたら出てきた消しカスを丸めて皐月に投げといた。 「せんせぇー裕也くんが消しカス投げてきまぁーす」 「……源口。放課後職員室来い」 「え」 やばい先生本気でお怒りだわ。 というか皐月すっげぇムカつく。 助けを求めようと実里や俊希の方を見ると、2人とも哀れんだ目で見てきた。 …………酷い。 これは集団で俺をいじめてるとしか思えない。
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