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「失礼しましたっ」
やっと先生のありがたいお説教が終わりましたよ。
基本同じ話を何度も聞いていただけだけどね。
廊下の窓から空を見ると、すでに夕陽で真っ赤に染まっていた。
…え、もうこんな時間なの…。
さすがの俺でもテンション下がるなぁ…。
少し小走りで教室に戻ることにした。
「…やっぱ、帰ったわな」
誰もいない物静かな教室で1人呟く。
外からは運動部らしき声が聞こえてきて、この教室はより寂しく思えた。
…あいつらが待っているんじゃないかと、少し期待をしていないわけでもなかった。
そもそもなとこ、あいつらのせいだし…そう思うのも当然だろ。
……まぁいいや。とっとと帰ろ。
ふいに、誰かに目を塞がれた。
「だーれだ?」
「ちょwwwホントにやったよこの人wwwキャラ崩壊しすぎwww」
「……………ふっ」
…………え…と……?
「俺の精一杯のボケ、無視なわけ?」
「実里がそんなのするの似合わないよ!www凄いキモかった」
「………………(コクリ」
「お前ら…何で?」
俺の問いかけに、一瞬俺を見て、三人顔を見合わせて、再度こちらを見て首を傾げる。
「何で…帰ってなかったのかよ」
「そりゃぁ、裕也放って帰るわけにはいかないだろ。そもそもな原因俺らだし」
「うんうん~トドメさしたのはボクだしね!」
自覚あんのかよ。
「まぁこんな時間になるとはおもわなかったけどね」
「あいつは話が特別長いんだよ。同じことばっか言ってるからな」
実里が嫌なことを思い出したように苦笑する。
こいつも結構呼び出されたりしてるからな…。
俊希がクイッと俺の服を引っ張る。
「……はやく、帰ろ……」
「あ、おぅ、そうだな。帰るか」
珍しく俊希からの催促。何かこの後予定でもあるのかもしれないな。
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