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「俊希ぃっ!」
次の日の朝、俺は下駄箱に俊希がいるのを見つけると、首根っこを掴もうと…したが身長が足りなかったので、教室まで一緒に行ってから叫んだ。
当の本人は今までの和やかな雰囲気だったのに、何故こいつはこんな殺気立ってんだろう、みたいな戸惑いをしている。
「お前が昨日一緒にいた女の子…まさか彼女じゃねぇよな…」
一瞬驚いた感じだったが、少しの間をあけて、首を横に振った。
その間は…なんなんだよ…。
「……幼馴染み…」
「あの超美人がか?」
ゆっくりと頷く。
…別に怒ってるわけじゃねんだし、そんなオドオドしなくても…。
「ふぅん…腕組んでどっか行くくらい仲良いんだねぇ~」
今来たらしい皐月と実里が横から話に入ってくる。
というかその言い方だと嫌味にしか聞こえないんだが…?
「あれは…向こうから勝手に…」
「じゃぁ絶対彼女は俊希のこと好きだよ!付き合っちゃえば?」
皐月の気が利いてる発言にも思えるこれだが、多分面白そうだからという理由にしかすぎないと思う。
そんなこと気にする様子もなく、落ち着いた雰囲気で首を横に振った。
「彼女には…彼氏がいるから…」
「えっ、彼氏いるのにデートしたの!?」
その発言に、慌てて俊希は首を横に振った。
「彼氏の…誕生日プレゼントを…相談されただけ……」
……うーむ。
恋愛もまだまともにしたことのない俺が言うのもなんだが、おかしくないか?
彼氏いるのに腕組んじゃうの?
それとも何、女の子ってそれが普通なの?
……うーむ。
「あ…そーゆーことね…」
つまんなそうに言った皐月。何かに気づいたのだろうか。
ちなみに実里はと言うと…。
何の関心も示さず、女の子たちにお菓子を貰っていた。
相変わらずすぎて何も言えねえし泣けてきたわ。何故か。
「何に気づいたんだよ…?」
「凄くつまらないけど…後で教えてあげるよ」
こういうとき、皐月は結構勘が鋭い。
一体何に気付いたんだろう…?
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