第1章

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「俊希ぃっ!」 次の日の朝、俺は下駄箱に俊希がいるのを見つけると、首根っこを掴もうと…したが身長が足りなかったので、教室まで一緒に行ってから叫んだ。 当の本人は今までの和やかな雰囲気だったのに、何故こいつはこんな殺気立ってんだろう、みたいな戸惑いをしている。 「お前が昨日一緒にいた女の子…まさか彼女じゃねぇよな…」 一瞬驚いた感じだったが、少しの間をあけて、首を横に振った。 その間は…なんなんだよ…。 「……幼馴染み…」 「あの超美人がか?」 ゆっくりと頷く。 …別に怒ってるわけじゃねんだし、そんなオドオドしなくても…。 「ふぅん…腕組んでどっか行くくらい仲良いんだねぇ~」 今来たらしい皐月と実里が横から話に入ってくる。 というかその言い方だと嫌味にしか聞こえないんだが…? 「あれは…向こうから勝手に…」 「じゃぁ絶対彼女は俊希のこと好きだよ!付き合っちゃえば?」 皐月の気が利いてる発言にも思えるこれだが、多分面白そうだからという理由にしかすぎないと思う。 そんなこと気にする様子もなく、落ち着いた雰囲気で首を横に振った。 「彼女には…彼氏がいるから…」 「えっ、彼氏いるのにデートしたの!?」 その発言に、慌てて俊希は首を横に振った。 「彼氏の…誕生日プレゼントを…相談されただけ……」 ……うーむ。 恋愛もまだまともにしたことのない俺が言うのもなんだが、おかしくないか? 彼氏いるのに腕組んじゃうの? それとも何、女の子ってそれが普通なの? ……うーむ。 「あ…そーゆーことね…」 つまんなそうに言った皐月。何かに気づいたのだろうか。 ちなみに実里はと言うと…。 何の関心も示さず、女の子たちにお菓子を貰っていた。 相変わらずすぎて何も言えねえし泣けてきたわ。何故か。 「何に気づいたんだよ…?」 「凄くつまらないけど…後で教えてあげるよ」 こういうとき、皐月は結構勘が鋭い。 一体何に気付いたんだろう…?
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