社長秘書の病欠。

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やがて諦めた社長の、ふうっと短いため息が聞こえた。 おいこら、やれやれってニュアンス含めるな、あんたにだけは絶対言われたくない。 「…、オフィスが寂しいから、早く元気になりたまえよ」 (……、) ほんの少しだけ、どきっと、してしまった。 社長らしくない、しんみりした声だったから。本当に寂しそうに。 (あ…) 社長の指が、私の髪をするすると通っていく。 何度も、するすると。 時々、よしよしとなでる。
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