9人が本棚に入れています
本棚に追加
††††††††††††††††††††††††††††††
「夢を見るんだ」
少年は語る
隣に居る少女に聞かせる
もしも、生まれてから何事も無く安らかに死ねたらなって
「…………少なくとも、今のこの世界じゃあり得ないね」
少女はどこか遠い所を見つめながら少年の夢に否とする
「そうだね、"今は"ね。でも、いつかきっとそうなるよ」
少年はそれでも語る
「……くだらない。そんな夢物語は子供に聞かせなさいよ。未来の事なんて誰にも分からないんだから。"いつか"、なんて
あやふやなモノ、信じてたって何にもならないわよ」
少女は少年の夢物語にそう吐き捨てるように言った
「うん、そうだよね。先ずは、"今"をどうにかしないとね」
「そう、この地獄みたいな世界を生き残る事だけを考えなさい。じゃないと、死ぬわよ」
少年と少女は真っ直ぐ前を見据える
眼前にはたった数時間前まで街があった
それが全て焼き払われた。
そう、"奴ら"によって。
ーーー世界は地獄だ
ーーーこの世界で少年は、己の夢を叶えられるか
ーーーそれとも、夢から覚めるか
最初のコメントを投稿しよう!