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「お兄さん…私を買ってください」
―――奴隷市場
俺に手を伸ばしたのは、金髪で肌が黒く、瞳が赤い……10歳程の少女
「お客さん、“ソレ”は止めときな。珍しく肌が黒いから置いといたが、だーれも買わねぇ…。そろそろ処分しようか迷ってる所だ」
処分……その言葉を聞いた少女は顔を恐怖に染めた
処分か……
「いくらだ?」
「はい?」
「コイツはいくらだと言っている」
「マジですか!?お客さん買ってくれるんですかい!?ありがたい」
その後金を払い
少女を連れ出した
「あ、あの!どうして私を?」
「なんだ?買わない方が良かったか?」
「い、いえ!ありがとうございます」
「お前は俺のモノだ。生かすも殺すも俺の自由。覚えておけ」
「ッ!……はい」
不安、恐怖、疑心、悲哀……コイツはすぐに顔に出るな
「お前はこれから俺の家に住んでもらう。家では基本自由にしろ。その代わり、俺の言うことには従ってもらう」
「俺の家に居る限り、お前に悲しい思いをさせる事は無い」
「……えっ?」
「えっ?」
………何か問題でも??
「分かったら返事」
「は、はい!」
「ん、じゃあ帰ろうか。家に」
―――少年は孤独な少女を救った―――それが偽善だとしても
「ようこそ、我が家に。歓迎するぜ、これからよろしくな」
「ッッ!!…はい!」
「……何故泣く?」
「えっと、嬉しいからです」
「……そうか」
―――少女は今日以来、悲しき涙を流す事は無くなった
―――これは復讐劇
―――しかし、復讐で誰かを救うことが出来るなら
―――この物語は、救済劇となるだろう
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