Secret sins #2

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私達夫婦は、今までこの部屋のベッドでも、何度か抱き合った。 その様子も監視され記録されていたかと思うと、おぞましさに身の毛がよだつ。 ゼロさんは画像を飛ばし飛ばしに確認してからディスクを取り出し、真っ二つに折って、すぐ近くにあったゴミ箱に投げ入れた。 「ご丁寧に、高度な顔認識で碧だけを選別して自動記録されるよう、プログラムされてやがる。 これは不要だろ。 碧に見せたところで、何も得しない」 「でも、少なくともこれを観たら、碧さんは自分は愛されてたんだって分かるかも」 「こんな狂った愛情が必要か? 全部まとめて捨てろ、こんな物」 ピシャリと冷たく打ち切られ、私はしぶしぶ青いファイル達をゴミ袋に詰め始めた。
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