Secret sins #2

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研究の手伝いをしていただけあって、遺伝学の知識を多少持っているゼロさんは、てきぱきと要不要を振り分けている。 棚が半分ほど空になり、持ち帰り用の段ボールが満杯になった頃だった。 さっきまでロボットのように無駄なく動いていたゼロさんが、一冊の書類ファイルを食い入るように見つめたまま、片付けの手を止めてしまった。 部屋を片付けていて、懐かしいアルバムや日記を発見した時、よくある現象だ。 きっとゼロさんにも、似たような事が起きてしまったのだろう。 (ちょっと可愛い所もあるんだ) 気にも留めず、私はパンパンで重たいゴミ袋を玄関へと運んだ。
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