690人が本棚に入れています
本棚に追加
研究の手伝いをしていただけあって、遺伝学の知識を多少持っているゼロさんは、てきぱきと要不要を振り分けている。
棚が半分ほど空になり、持ち帰り用の段ボールが満杯になった頃だった。
さっきまでロボットのように無駄なく動いていたゼロさんが、一冊の書類ファイルを食い入るように見つめたまま、片付けの手を止めてしまった。
部屋を片付けていて、懐かしいアルバムや日記を発見した時、よくある現象だ。
きっとゼロさんにも、似たような事が起きてしまったのだろう。
(ちょっと可愛い所もあるんだ)
気にも留めず、私はパンパンで重たいゴミ袋を玄関へと運んだ。
最初のコメントを投稿しよう!